ブログ

ピアノライフに役立つあれこれ

楽器の演奏は本当に繊細な作業で、些細なことで影響される。家でひとりで弾いているときは結構上手く弾けるのに、レッスンになるとなぜかミスが多くなり、本番となると半分も実力を出せない、ということもあるかと思う。あれだけ練習しておきながら、本番は散々な出来だった、というのはなかなか悲しいものだ。

音楽を演奏する動機は様々あると思うが、そのひとつが、時間に価値を与えることではないかと思う。演奏しているときの1分は、日常生活の他の1分とは、時間感覚が全く違う。それは時間芸術のなせる技でもあり、何者にも邪魔されない集中の中にいるときの、特別な感覚でもある。

楽器の習得は、基本的には練習量に比例する。よほど不適切な練習法でない限り、練習する程に上達していくもので、ピアノも例外ではない。

何かを上達させたいと思うなら、シンプルなタスクを継続して積み上げるという方法に尽きると思う。楽器も例外ではない。あまりに飛躍が大きかったり、単純な部分をすっ飛ばしていきなり複雑なことに取り掛かろうとすると、必ず無理が出て、出来ることも出来なくなる。

楽器は体を駆使して演奏するものなので、全く疲れないということはない。少なくとも、パソコン作業をしたり、机に向かって勉強したりするよりは、ずっとエネルギーを消費する。頭も体も満遍なく使うし、何より高度な集中力が必要だからだ。但し、2、3時間程度で筋肉痛になるとか、一点が痛くなるという場合には、やはりどこかに不要な力がかかっており、無理な弾き方になっていると考えられる。人の体はひとつひとつ違う上、他人の感覚を共有することは不可能なので、この無理な体の使い方の原因や改善法を探るのはなかなか難しいが、一般的に言えることを書いてみようと思う。

ピアノは、5本の指を使って弾くのは周知の事実であるけれども、最初から均等に使える人はいない。特に4、5の指は、それなりのトレーニングをしないと、自由に動かすのは難しい。日常の手の動きは、1、2、3の指を動かせば完結する動作がほとんどで、4、5は補助的にしか使わないからだ。

ピアノを弾いていると、どうしても速いパッセージが上手く弾けないということがあるものだ。そんな時は、闇雲に同じことを繰り返しても、手が疲労するだけで、時間が無駄になる。何をどう見直せば、効率的に、短時間で弾きこなせるようになるか、考えてみる。

今回は、ピアノを弾く際のトリルについて深掘りする。トリルとは、2音(重音で3音、4音の場合もたまにある)を、2本(または音数に応じた指数)の指を使って素早く交互に弾くことで、記譜上は、通常tr.またはtr.〰で表記される。中級以上の曲には頻繁に登場し、ピアニスティックな華やかさを添える。慣れるとほとんど労力も使わず、無意識に操作出来るのだが、最初はコツが掴めない場合があるかもしれない。

懸命に練習すると、大抵の曲は弾けるようになる。問題はそれを維持することの方で、これが非常に大変だ。子どもから大人まで、あんなに頑張って練習して上手く弾けていた曲が、もう弾けなくなってしまった、という話を聞く。先生はどうして何でも弾けるんですか、と質問されるが、こちらだってコンチェルトレベルのものが何でも弾ける訳ではなく、難易度の極めて高い曲であれば、生徒同様、弾いてなければ時間と共に弾けなくなってしまう。

音楽サロン Musicafé
札幌市清田区 ピアノ教室
Powered by Webnode Cookie
無料でホームページを作成しよう! このサイトはWebnodeで作成されました。 あなたも無料で自分で作成してみませんか? さあ、はじめよう